人生にはな、こういう瞬間が沢山ある。
思っていたのとは 全く違う現実。
学校でも、会社でも、恋愛でも。
人は皆、自分に都合のいい現実を想定する。
そして、ある日突然 それが只の勘違いだったと気づかされる。
己の人間力が試されるのは、こういう瞬間だ。奥野。
今、お前の前には 道は二つ。
一つ。
この期に及んで まだ 幻想の中に逃げ込み
このバカ弟の戯言は、受験のイライラのせいだと決め付け
何も聞かなかったことにして、忘れる。
二つ目。
辛くても現実を認め、
そして、もう一度 歯を食いしばって 0からやり直す。
奥野一郎、これはお前の人生だ。
お前が好きに決めろ。
だがな、俺なら 他人に東大受験の夢を託すよりも、
頑張って、自分で東大に行く方を選ぶがな。